「ガリレオ」「麒麟の翼」といった映像化作品を数多く有し、稀代のヒットメーカーとして知られる作家・東野圭吾が1995年に発表した同名原作を、『悼む人』『20世紀少年』シリーズなどの堤幸彦監督が映画化する『天空の蜂』。このほど、先に発表されていた江口洋介、本木雅弘に加え、堤監督が全幅の信頼を置く最旬女優・仲間由紀恵、堤組初挑戦となる綾野剛ほか、柄本明、國村隼、さらに向井理ら新たな豪華キャストが決定。彼らが演じる劇中キャラクターのビジュアルが解禁となった。
原作は、最新鋭にして日本最大の超巨大ヘリコプターを乗っ取り、原子力発電所の真上に静止させるという史上最悪の“原発テロ”と、この究極の危機に立ち向かう人々の8時間のドラマを描いた東野圭吾によるロングセラー小説。20年前に書かれたものとは思えないほど、東日本大震災後の現在の日本を予見しているかのような内容が描かれており、そのテーマ性やスケールの大きさから、長年、映像化不可能といわれてきた。
そんな原作を、日本を代表する映像のヒットメーカーである堤監督がメガホンを取り、映画化。テロリストに奪われる巨大ヘリ“ビッグB”の設計士で、ヘリ墜落を阻止すべく奔走する湯原役に江口さん、湯原と同期でテロリストに狙われる原発「新陽」の設計士である三島役を本木さんが演じている。
仲間さんが演じるのは、本木さん演じる三島の恋人で、事件解決のカギを握る女性・赤嶺役。また、綾野さんは巨大ヘリ“ビッグB”を奪う謎の男に扮し、ふたりは使命と思惑を秘めながら事件と関わっていく男女に、迫真の演技で挑んでいく。
さらに、犯人を追う地元刑事・室伏役を柄本さん、事件現場を統括する発電所所長・中塚を國村さんと両ベテランが演じるほか、竹中直人、石橋蓮司、佐藤二朗、光石研、落合モトキ、やべきょうすけら、ひとクセのある実力派俳優が集結。向井さんは、原作には登場しないオリジナルシーンの中で、2011年3月、東日本大震災後の日本で救助活動に赴く自衛隊員を演じるという。
今回、明るくポジティブな雰囲気とは正反対の、秘密と決意を秘めた難しいキャラクターで、数少ない女性キャストとなった仲間さん。「『トリック』シリーズが完結して少し寂しく思っていたところ、また堤監督とお仕事をご一緒することができて大変嬉しかったです」とコメント。『トリック』とはまったくタイプの異なる、壮大なスケールの社会派作品であり、初共演の面々が多かったことから、「改めて新鮮な気持ちで作品に取り組めました」と言う。
「私の役は、過去に心に傷を背負った役だったので、原作を元に1シーン1シーン役作りはもちろんのこと、髪型や服装・メイクまで監督と話し合いながら撮影しました。観終わった後に必ず心に何かが残る作品になると思います」と、その手応えを言葉に込める仲間さん。製作陣も「限定された登場シーンで圧倒的な存在感を発揮する女優を考えたとき、堤監督と15年以上も仕事を続けている仲間さんの顔がすぐに浮かびました」と明かす。
また、製作陣の意見が一致し、脚本完成と同時に即オファーしたという綾野さんは、影を背負った寡黙な実行犯というキャラクターに。「綾野さんが醸し出す研ぎ澄まされた空気感によって、見事な犯人が出現しました。去年の夏、数日間という極度に限定された撮影環境のなか、芝居と殺陣をあっという間にモノにしていく様に、スタッフの驚嘆と賞賛が入り混じる現場でした」と絶賛を受けている。
「刻々と迫っている。もう眼を背けてはいけない。不確かないまを、確かな未来へ紡ぐために。わたしは天空の蜂を生きて、わたしを体感したのかもしれない」とコメントした綾野さんは、初めての堤監督作品に、「真摯に受け止め、取り組まさせていただきました」とふり返っている。
原作とは異なる、映画オリジナルの新たな展開が描かれていくという本作。豪華なキャスト陣が織りなす究極のクライシス・サスペンスに期待が高まる。
『天空の蜂』は今秋、全国にて公開。
引用元:cinemacafe.net